2009年7月9日木曜日

モンシロ蝶を雇うための準備。

アゲハ蝶にくらべ、コストも安く押さえられるモンシロ蝶であったとしても、小規模な会社に来ていただくにはそれなりの準備が必要です。

まず、モンシロ蝶が生息できる環境を会社の中に作らなければなりません。

それは象徴的にいえば、机といすです。

ここ数年の組織のスリム化や成果主義の弊害か、オフィスの中から机といすをなくしていくことが生産性を高め効率化を図る上でのひとつの解決策であるかのようにいわれてきました。

社員数1000人を超えるような規模の会社であれば、それもひとつの解決策であるかもしれませんが、社員数が数名~数十名規模の会社ではむしろマイナス要素でしかありません。

社員が増えても安心なスペースと机といすの確保。これがモンシロ蝶が生息できる環境です。

現場やクライアント訪問が主な業種では、社長の住むマンションの一室が住居兼本社になっており、社員は現場やクライアント先に直行直帰で本社で過ごす時間がほとんどないとか、一般的なオフィスであってもロッカーはないにせよ、自分占用の机といすのスペースさえも確保されておらず、うっかり帰社が遅れた場合などは業務日誌を立ったままか書かなければならなかったりするような環境であると、残念ながらモンシロ蝶は生息できません。

正社員に限らず、パート・アルバイトとであっても、これは同じことがいえます。
ホテル、飲食店、コンビニ、ドラッグストア、エステといったサービス業では、休憩時間をゆっくり過ごせる環境があるかどうかが、モンシロ蝶の生息できる環境であるかひとつの基準になります。

人として劣悪な環境に順応できるのは、蛾だけです。蛾は生息環境を会社が提供しなくて済むぶん、一見するとメリットがあるように思えますが、どんどん会社とくに経営者の活力を失わせていきますので注意が必要です。

当然お客様も離れていくことになります。

だれしも、店内に蛾が飛んでいるようなレストランでは食事をしたくはありません。


逆に、環境さえ整えてあげれば、モンシロ蝶は自然と会社にあつまってくれるようになります。

僕が4月からお手伝いさせていただいている会社のケースでは、以上のことをご理解いただくことができ、新人が増えても安心できる環境づくりとして、現在の住居兼本社のマンションのほかに、駅から徒歩3分程度の距離にあった20坪ほどの2階建ての古い店舗兼居宅を借り、2百万円以上かけて内装をリフォームしとても素敵で心地よい空間として倉庫兼オフィスを用意していただくことができました。

その結果。

工事完了は6月の下旬であったにもかかわらず、また、ほとんど告知もしていない状況でしたが6月中旬にはもう来年の新卒予定者からの履歴書が殺到するようになりました。

創業後10年近い会社でしたが、新卒者のほうから入社させてくださいと履歴書が送られてくるようなこと自体、はじめての経験であったうえに、昨日、とてもよいモンシロ蝶を採用することができたと喜びのご報告をいただくことができました。

ここ数年、蛾しか捕まえられないと思ったら、まずは自分の会社がモンシロ蝶が生息できる環境であるかどうかを確認してみてください。

彼ら彼女たちは、自分たちを大切に思ってくれる会社に自然とあつまり、忠誠を尽くしてくれます。

効果の有無にかかわらず発生する、1週間しか掲載されない数十万円の求人誌への掲載料も、採用の度に支払わなければならない数十万円~百数十万円の人材紹介料も必要ありません。

経営者するべきは、ただただ環境を整えてあげるだけです。環境が整ったと彼ら彼女たちが判断すれば、自然と会社にいい人材は集まってくるのです。

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