2009年7月9日木曜日

なかなかいい人がいなくて・・・という悩みの原因。

「人が欲しいんだけど、なかなかいい人がいなくて・・・」

経営資源というと、よく「人・モノ・金」の3つがあげられますよね(僕はそれに「時間」を加えていますが)。

小規模経営の会社が行き詰る理由は、金が足りないからでも、モノが足りないからでもなく、人が足りないからです。

これは僕が出会った経営者はみなさん、おっしゃっていました。

そして僕がヒアリングしてみるとみなさん次のような無限ループに陥っているということもわかりました。

新規の仕事を取ってくるためには人が必要だ→人を雇うと固定費が増える→増えた固定費を埋めるためには金が要る→金を稼ぐためには新規の仕事を取ってくることが必要だ→新規の仕事を取ってくるためには人が必要だ→(以下無限のループ)

「にわとりが先か、たまごが先か」

という議論と同じ構造を抱えています。

小規模経営の経営者は、いきおいたまご(金)をすぐに生んでくれそうなにわとり(中途採用)を雇おうとしてしまいがちです。にわとり(中途採用者)なら、自分の食いぶちは自分で稼いできてくれるだとう。という期待を込めてにわとりを採用してしまいます。

僕はそのにわとりはたまごを生めないにわとりであると断言します。

たまごを生むようなにわとりは、中途採用のマーケットにいないこと、間違って500人に1人くらいの確立で中途採用のマーケットに紛れ込んでいることもあるようですが、本当にまれです。

たまごを生むようなにわとりに対しては、どの企業も辞めさせないような処遇をしていますし、転職するような話が出た時点で、取引先や人材紹介会社が囲い込みに入ります。

でも、そんなこと、僕が言わなくても本当は小規模経営の経営者さんはみんなわかっていることです。

それでも、もしかしたら・・・という淡い期待をかけてたまごを生めないと本音ではわかっている人を採用してしまうんです。

そのうえ、社長自身よりも高い給与を与えたにも関わらず、こんな給与じゃやってられないとか、既存の社員のだれそれにこんな態度を取られてプライドが傷ついたとか、いわれて3ヶ月を待たずに辞めていってしまう。

結局、その3ヶ月分の給与プラスたまごを生まないにわとりを雇うために費やした求人広告費や人材紹介会社への手数料、社長が行った社内的な調整などがすべてドブに捨てられていきます。

そのうえ、社内的にはたまごをうむにわとりを採用したといって、実はたまごをうめない、ただの自己中心的で身勝手なにわとりばかりを採用し続ける社長に対する不満が求心力の低下として表れてきます。

そのうえ。採用後期待を込めて、社長とともに重要な取引先などに挨拶まわりなどしてしまったがために、たまごを生まないにわとりが辞めたあと、取引先などからこの間紹介された方はどうされたのですか?などの不審がられ、あの会社は人がすぐやめる会社だから与信管理を厳しくしておいたほうがいい、などと売上や利益を落としてしまう結果をまねいてしまったケースもあります。

会社のため、既存の社員のため、お客様のためと、たまごを生めないにわとりを採用しつづけ、そんなにわとりにすら逃げられてしまう、多くの経営者を見ているととても哀しい気持ちになります。社長にだってわかっているんです。自分の会社のような小規模な会社にたまごを生むようなにわとりがきてくれることなんて、宝くじがあたる確立に近いことを。

僕はもう宝くじを買うのはやめにしましょう。

そしてひよこを飼いましょう、とアドバイスします。

ひよこは新卒の学生です。もちろん、すぐにはたまごを生めるようにはなりません。

でも、会社の仕組みをひよこでも収益を上げられるような構造に少しだけ変えてあげることで、ひよこも3ヶ月でたまごを生めるようになります。

でも、でも、その前に社長にやってもらわなければならない仕事があります。

それは・・・。

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