2009年7月17日金曜日

家を買いたくなったら。

これまでの仕事柄か、これから家を購入しようと検討をはじめられた方々からいろいろとご質問を受けることがあります。

みなさん真っ先にされる質問は、決まって「この不動産会社は信用できるの??」という質問です。

車について、この自動車会社は信用できるのか?という声はあまり耳にしませんが、生命保険については、この保険会社は信用できるのか?という声はときどき耳にするという関係からすると、やはり金額の多寡が影響するのだなと当たり前ながらに感じたりします。

ここでは、主に不動産販売会社について述べますが、

僕は、「宅地建物取引業法ほか関連法令についての基準は、どこの不動産販売会社も原則として満たしている(原則としてと述べたのは、年齢や地位に関わらず知識不足だったり経験不足だったりで基準を満たす説明をできない担当者がいるため)。ただし、不動産販売会社ごとにリスクに対する考え方に若干違いがあり、法令の基準を超えた部分まで、いわゆるかゆいところにまで手が届いた対応を社内的に徹底的してくれている会社とそうでない会社とがあります。」と都度、説明することにしています。

冒頭の質問をなさる方からよくよく話を聞いてみると、その営業担当者の応対が非常にまずかったりするケースがほとんどなのですが、人生で1、2を争う高額な買い物のはずなのに、あまり勉強したり調べたりせずに「えいやっ」と購入を決めてしまう方が多いことに驚きます。

営業担当者もまた人ですから、きちんと勉強されて調べられてから購入されようとする方には丁寧な応対もいたしますが、よく勉強もせずマトハズレな質問をされてくるような方や、ちょっと調べればわかるようなことをねちねちと質問をしてこられるような方に対しては、「ごちゃごちゃ云わずに、さっさと買え~」的な態度をとってしまうこともあるだろうと思います。

逆に、うまく営業担当者を味方につけられれば、いろいろと親切に教えてくれるようになりますし、こまごまと相談に乗ってくれるようにもなります。

では、どうやって勉強したらいいのか?

というと「家を買いたくなったら」(長谷川高著)WAVE出版などを読んで、一通りの知識を得ておくというのもひとつの有効な方法だと思います。

テレビで欠陥住宅を買わされたと怒っている人とか、2チャンネルに不満をぶちまけている人の書き込みを見ると、すべてとはいいませんが、不動産取引の知識不足から不動産屋さんに無茶を言っていることが発端となって事件が発生していることがほとんどのように思います。

闇雲に値下げを要求したり、見た目の細かいことにケチをつけたりせずに、もっと本質の部分から条件を固めていく姿勢で購入に臨めば、さしてトラブルなくあっさりと良い物件が良い条件で購入できるのにといつも残念に思います。

「大切なことは目に見えない」という星の王子様の言葉ではないですが、土地なら、所有権をきちんと手にいれられるのか、担保権はきちんとはずしてもらえるだろうか、融資はきちんと実行されるだろうか、地盤、地質とか水害とか前面道路の幅員、境界などの近隣との権利関係がまず重要でしょうし、建物については、建築中に業者が倒産しないだろうか、きちんと建物が引き渡されるだろうか、基礎や柱の太さ、構造上の強度、雨漏りや断熱、シックハウスといった問題が重要になるでしょう。

でも、たいていの方は、狭い土地・少ない予算にも関わらず、まず建物のデザインや駐車スペースの確保やキッチンやバスの性能の高さ、美しい壁紙や床材のほうに目を向けてしまいます。

僕が家を購入しようとするときも、妻や妻のお母さんはそっちにばかりやたらとチェックを入れていれてあれこれ文句いっている最中、僕はひとり、銀行と融資の交渉をしたり、売主が本当に現在の所有者かどうか、いまついている担保はきちんと外れるだろうか、売買契約が済んで引渡しが完了するまでにこの名前も聞いたことのない売主が不況のあおりで倒産しないだろうかと、そちらのほうでやきもきして胃痛をわずらっていました(仕事としては数千件以上取引をあたりまえのように成立させてきていても、いざ自分のこととなるとリスみたいに臆病になってしまうものです)。※結局、この売主さんは現在まで業績を伸ばされ、毎年の我が家のメンテナンスにも大変丁寧に対応してくれている非常に信用できる業者さんだったのですが・・・。

権利関係や融資に関するトラブルや基礎や柱の太さ、構造上の強度などの問題は取り返しがつきませんが、キッチンやバス、壁紙や床材が気に入らなければ後でリフォームすればいいだけのことです。

購入者の側で、どちらがより本質に近いかを考えながら、条件に優先度をつけて営業担当者にきちんと伝えることで、営業担当者も安心できますし、信用のおける対応をしてくれるようになるものです。

これから家を購入しようとされているみなさん、みなさんにとって最高の家と最高の幸せが手に入れられることを祈っています。

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