2009年7月25日土曜日

自社にとってのいい人材とは誰かを知るための手引き。


採用試験としてSPIや一般教養試験を行っている会社は、想像以上に多いことに驚かされます。

クライアント先での採用活動に携わった際、応募者に他社での就職活動状況をそれとなく確認してみると、総社員数50名にも満たない会社であっても、SPIや一般教養試験を行っていることが判明します。

僕の考えでは、採用試験としてSPIや一般教養試験を行う意味は、面接の人数を減らすための足切りとしての意味と採用に自信のない人事担当者の負担の軽減(言い訳の確保「だって彼(彼女)はSPIと一般教養試験で高得点でしたから・・」)の意味でしかありません。

僕は「その行為の本質・目的はなに?」との視点で物事を考えるようにしていますが、採用活動の本質・目的は、会社の将来の発展の礎となる人材を確保することであって、SPIや一般教養試験で高成績である人材を確保することではないと考えます。

SPIや一般教養試験の結果からわかるのは、せいぜいムダとわかっていることにどれだけ力を注いで準備できるのか?という忠誠度・まじめ度くらいかと思います。

とはいえ、「自社にとってのいい人材とは誰か」という基準すらあいまいな会社にとってはひとまずの安心材料にはなるのでしょう。

それならむしろ、心理テストを既存の社員全員に課したうえで、採用時の試験では心理テストを課したほうがよほど「自社にとってのいい人材とは誰か」の判断に役立つと考えます。

既存の社員が、怒りをあらわにしがちな人材で構成されているなら、怒りに忍耐強い人材を採用するとか、既存の仕事の流儀と同じ流儀をもった人材を確保したいなら、そういう人材を選ぶとか、いろいろとやり方が見えてくることが多く、面接後の採用・不採用の意思決定が早く済みます。

採用後の配置の際にも、「彼(彼女)はこういう傾向があるからこういう点に注意して接してあげて」などときめ細かい指示を上司に与えることができます。

自社にとってのいい人材とは自社の現状と将来の状況に適性のある人材といえるでしょう。

規模が小さければ小さいほど、自社に対する適性の重要度は増します。

自社に対する適性を知るためには、SPIや一般教養試験ではまったくムダとは言わないまでも、不十分な試験だといえるでしょう。

各社の特性に合わせた採用活動が必要であるはずなのに、安易に業界他社の状況に合わせて採用活動を行なってしまうあたりに「いい社員、いい人材」がいなくなってしまう原因があります。

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