2009年6月22日月曜日

戦略的課題解決とコンサルにとっての本当の課題。

この4月から経営コンサルとしてデビュー?を果たしたものの、実際のコンサルの現場では戸惑うことばかり。

 戦略的課題解決のプロセスはおおむね、

①現状分析と問題把握
 ・適切なフレームワーク、モデルの活用による体系的な分析
 ・漏れのない問題把握
 ・ファクト・ファインディングの重視
 ・問題の構造化
 ・問題の本質への接近

②解決すべき課題の設定
 ・広がりと深さを確保し、真の要因追求を目指した分析による重要課題の絞込み
 ・解決すれば全体への影響度の高い課題の優先設定
 ・有効な打ち手につながる課題の設定

③課題解決策の設計
 ・推論・洞察に基づく解決策の立案・検証
 ・既成概念の枠を取り払う。
 ・自分の常識を疑う。
 ・顧客の立場から立案する。
 ・仮説立案とその検証を繰り返す。
 ・仮説検証に必要な調査・分析のみ実施。
 ・必ずしもベストではなくとも、スピード重視のベターを選択。

④解決策の実行
 ・解決策が確実に実行される状況の構築
 ・全体整合性のとれた実行計画の立案
 ・組織内でのコンセンサス(コミュニケーション)
 ・各ポジションでの取るべき実行策の明示と納得性の確保
 ・実施・検証と計画へのフィードバック

という4つの段階を経るものだけれど、大概、順調に進むのはフェーズ1とフェーズ2までで、フェーズ3、フェーズ4に行くにつれ、難易度が増し、戦略的課題解決どころか、課題を見つけてコンサルのエゴを満たして、クライアントである社長と現場の自信と誇りを傷つけておしまいというケースになってしまいがちだ。僕自身なんどもそういう事態は残念ながら経験している。

まあ、売上高数億円くらいまでの規模の会社に起こっている問題は、社長がすでにわかっていることも多いし、口に出せないだけで現場がわかっているか、お客さんはわかっていることがほとんどで、その問題のうち1つか2つを解決すれば、会社を取り巻く環境がガラッと変わってしまうものなんだけれど。

でも実際には、わかっていても、できない。


なぜか?


僕は、その会社の社長が、幹部が、社員が、そしてコンサルとしての僕自身が、それぞれの「レディネス」に達していないことが原因ではないかと最近思うようになりました。

「レディネス」とは、英語ので、「ある学習を効果的になしうる発達の状態にある」ということを意味します。幼児心理学の用語のようで、僕は子育ての研修会でその言葉を初めて知りました。

「この子は○○ができない、という言葉をよく耳にしますが、子どもはできないのではなく知らないのです」

子育ては、「子どもたちがこれから出会うたくさんの人やもの、出来事などを『知る』までの過程を見守り、レディネスに達し『知った』その瞬間を見逃さず、次へのつなげていくこと。それぞれのお子さんのもつスピードを大切にしながら・・・」との説明に、僕は、はっとさせられました。

ここで話されていることは、子育てという枠ではなく、ひとの成長全般に共通していえることだと。

つまりは、個々の問題解決策を立案し実行してもらったところで、レディネスに達していなければ、予定した結果は得られない。

結果が出せなかったコンサルティング事案というのは、大概、このレディネスを無視して策定されていたことに反省させられます。

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